本日も早朝散歩。ポケットから両手は出したくないが、冷んやりした空気が気持ち良い。
西の空には白い満月が見える。どこかで写真に収めようと思うが、住宅街の低い空には必ず電線や電柱が邪魔をする。それも含めて街の風景と思える寛大な心はいまだ持ち得ていない。時々思うのは、これらの複雑に張り巡らされた電線の一本一本は全て関西電力かどこだかに完全に管理、把握されているのだろうかということ。設置場所、設置時期、管轄、種類、長さ、等々。膨大なデータベースであろう。
いつから読み始めていたか、ドストエフスキーの「罪と罰」(上下巻)を読了した。
学生時代に一度読んだはずと思っていたが、今回読み終えてみて、1ミリも思い出すことがなかったからただの思い違いか。
正直なところ、退屈で陳腐でわけわからなくて途中で挫折するかもなと思っていたが、予想以上に読み易く、物語の展開も面白く、人物の心理描写や状況説明も細かく臨場感がある。19世紀のロシア人の考えることなどわかるはずもないと思っていたが十分通ずるものであった。主人公や登場人物の思考が延々と展開される様は、町田康の「告白」を思い出された。
難点は登場人物が多くて、それぞれ名前がクソ長かったり、そのくせ同じような名前で別人だったり、同じ人で複数の呼び方があったりするから、ネットで拾った、登場人物とその関係図は必須であった。
もちろん訳者の技量によるところも大きいであろうが、19世紀の外国の物語を21世紀の現代日本人が読んでこれだけ理解できるなら、国内の江戸時代の作品はもっと楽しめるだろうか。井原西鶴、十辺舎一九、曲亭馬琴・・・。そもそも現代語訳があるのだろうか。

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11月7日はレナードコーエンの命日とのこと。
Leonard Cohen - Dance Me to the End of Love (Official Video)
活動歴は長いはずだが、その存在を知ったのは亡くなる半年ぐらい前だったか。それも何かで読んだ、自分の死期を悟ったというような記事だったと思う。明らかに好きなジャンルであるが。










